更新日:05/12/03 第十五回 泰永書展 〜書と感性〜レポート |
タイトル |
第十五 泰永書展〜書と感性〜 |
会期 |
平成15年10月1日(金曜)〜3日(日曜) 3日間 10:00〜19:00(初日は12:00から) |
会場 |
東京芸術劇場 展示室T |
来場者数 |
計274名 1日:75名 2日:100名 3日:99名 |
展示内容 |
書作:20人 24点 |
配布数 |
作品集:70部 平成の巨人 野尻泰煌B5チラシVer2:25枚(無料) 宣伝用チラシ:316枚 作品釈文:70枚(無料) 対談「書と感性」:89枚(無料) 泰永会入塾生募集ハガキ:26枚 書藝要説サンプル:5冊/第十三回泰永書展作品集1冊/第十四回泰永書展作品集1冊 |
業者等 (敬省略) (順不同) |
主宰:野尻泰煌 企画制作:泰永会事務局 額:拓洋堂 軸:(株)三幸 作品集写真:野尻貢右 宣材写真:松里昌立(写真家) [Web] 印刷物制作:也太奇-YATAIKI- [Web] 作品集印刷:サンライズパブリケーション(株) |
[第十五回泰永書展]
「書と感性」 本年よりテーマにそった対談内容を配布することにした。こういう時代だからこそ抗い、書や文化を地道ながらも普及させたいという泰永会の、野尻氏の願いをささやかな形にした結果だ。今回はズバリ「書と感性」である。書については不思議が多い。なぜ、アジアの文化圏に今でも根強く残っているのか。そもそもどう観賞するものか?字という既成概念、嘗ての才子達が構築した美しい結体という存在を使い表現をするのが書である。そのハードルの高さは傍目からは到底感じることすら難しいだろう。そういった幾つかの疑問を、幼き頃から書に全てを捧げてきた氏にぶつけてみた。内容にご興味がある方は野尻泰煌氏のホームページに連載予定ですのでお勧めしたい。今年は氏のカンヌ国際芸術祭受賞にともない撮影を求められることもあった。 「過去の泰永展で今年は一番いいね」野尻氏はそう言った。それはバリエーションと質双方をとっての意味であろう。どうしても草書主体になりがちな書展。それ故に変化のなさから面白みがかけると思われがちだった。実は草書の観賞はそれこそ難しい。今年は、氏のライフワークである楷書大字2字をはじめ、行書、草書、隷書と結果的にみればバラエティ豊かな書体が揃った。展示に関して氏に全く作為はない。個々がもっとも活きる課題を毎年与えるだけであるからだ。また、ここ数年で中核になる出品者が決まってきて、毎年の変化も楽しめてきた。毎年出品している作家の変化がわかり、新たな楽しみとなる。新たに始める方も増えてきた。泰永会の凄みは、学生部の質の高さだ。「子供達の方がある部分では大人より難しい課題に日々取り組んでいる。自覚はないだろうけどね。でも、自覚がないからいい」氏は語ってくれた。 来場者から注目を浴びた作品は、隷書2×8尺1幅、草書2×8尺2幅、学生の作品だ。毎年のことながら学生の作品は評判がいい。年齢を聞くと皆が目を丸くして驚く。また、半切作品の数作にも目が止まった。幾つかお褒めの言葉を頂戴する。氏の作品では、小品の草書が大好評だった。「作品が立体的に見えるんですよ。書でこんな驚き初めてです!」と幾人か興奮して語られるお客様がいらした。今年は近年になく全体として評価が高かった。これは会の中身が年々充実してきていることを意味するだろう。それはまさに氏が望む方向性である。来年が今から楽しみである。 |