更新日:02/09/10

「第十三回 泰永書展〜美はゆるぎない〜」

レポート

 

タイトル

第十三回 泰永書展

会期

平成14年9月6日金曜〜8日日曜 3日間

10:00〜19:00(初日は12:00から)

会場

東京芸術劇場 展示室T

来場者数

計298名 6日:62名 7日:116名 8日:120名

展示内容

書作:18人 21点

フォトギャラリー:5点

過去の作品集:第十一回泰永書展〜十三回・野尻泰煌展・会誌「書藝要説」3冊

配布数

作品集:60部

平成の巨人 野尻泰煌B5チラシ:105枚(無料)

宣伝用チラシ:400枚

作品釈文:81枚(無料)

業者

(敬省略)

(順不同)

主宰:野尻泰煌

企画制作:泰永会事務局

額:拓洋堂

軸:(株)三幸

作品集写真:野尻貢右

宣材写真:松里昌立(写真家) http://www2.ttcn.ne.jp/~yataiki/braidal.htm

印刷物制作:也太奇-YATAIKI- http://www2.ttcn.ne.jp/~yataiki/

作品集印刷:サンライズパブリケーション(株)

 

 

「盛況だった泰永書展」

 雨は突然前日に降った。夕方降った時は、通り雨かと思ったが夜がふけると本格的に降りだした。当日には止むか、小降りになるかなと思って寝むる。たが予想外に朝から大雨。埼京線や一部区間では遅延を知らせている。私は8時30分に会場入りし、搬入物を待つ。この雨だから色々と遅れるだろうと思っていたので焦る気持ちは無い。下準備も入念に行ったので開場時間には丁度いい感じに合った。

 さて、心配された雨による入場者減少も、終わってみるとここ3年で最大の来場者数となり驚いた。恐らく、展示ギャラリーやホールで入場者の多いイベントがあったのが幸いしたのだろう。3日間、私は極力給茶場に居座った。私が受付に座るとお客さんにプレッシャーを与えるからだ。昔上司に、「男に入れてもらうお茶は気分悪い。」と言われたのを思い出したが、しゃーない(笑)。

 今年の展示は全面的にテコ入れした。どれも意識されない程度の些細な改革だがこれが重要だ。ボクシングでもジャブの連続があって始めてストレートに繋がるように侮れない。ここに来て過去に行った大小数十回にも及ぶイベント責任者の経験が役に立った。今年は2×8が5枚に、全紙が5枚というビッグな展示内容だ。毎年好評な小品は展示数も内容も充実してきている。先生の意見を他所に軸にした。作品を見せるにはやはり額がいい。が、下世話だが私の狙いは少し違う。全体的に今年は更に好評だ。「それぞれの個性が出ていて面白い。」という人や、「圧倒された」と言う人などいらした。一般のお客さんにはやはり楷書や隷書が人気がある。先生の楷書作と、会員さんの隷書作に意見が集中した。隷書全紙作を書いた本人の話では、1枚書くのに14時間かかったそうだ。私なら確実にサジを投げたろう。聞いただけでめまいがする。逆に書関係者から好評で注目を浴びたのは、草書小品軸だ。書いたのは中学生と小学生。習う人に習えば人間こうも違うのかと、自分の幼き頃の書を思い起こし涙が出る思いだ。草書を鑑賞するのは難しいと以前から先生は言っていた。私もそう思う。楷書や隷書は一つの構造物であり幾何学模様を見るように楽しめる。原始的感性を刺激するのだろう。書くのは苦手だが私も好きだ。写真展示コーナーもなかなか評判がいい。正直、大きく張り込みたいが写真の拡大にはコストが相当にかかる。キュウキュウな事務局にとってそれは諦めざる終えない。我ながらこれほど健全に運営されている事務局はないのではないかと思うほどに極貧だ(笑)。写真展示で気になったのは、何人かに「いやーお兄さんとよく似てるんですねー。」と言われたことだ。その目線の先には先生の写真があった(笑)。作品集や会誌「書藝要説」も予想以上にパラパラと見てくれる。ああいった会誌には会のセンスと方向性が一瞬でみてとれるので出すのは冒険ではあった。思いのほか好評でサンプルの3冊が関係者の手に渡った。「あれは私の私物なのだが・・・・。」(笑)

 来年は更なるジャブを繰り出したい。